エコレザー事例

株式会社舛田常務取締役 舛田順一様 インタビュー

こだわりのエコレザーで医療分野に挑戦

株式会社舛田
常務取締役 舛田順一様
様々な分野で評価が高まっているエコレザーだが、取り扱う製品の全てがエコレザー認定を受けている企業がある。100%天然の羊毛(ムートン)の輸入・輸出・販売をトータルで扱うオンリーワンのムートン専業企業 株式会社舛田(奈良県)だ。寝具市場をメインにムートンの普及に努め、医療・介護マーケットにも挑戦する舛田常務にお話を伺った。


エコレザーが生まれる工場内 私どもの製品の60%が寝具向けに開発されている性格上、ホルマリンフリーなどに代表される安全・品質性能は常に意識しております。それを実現するために様々な取り組みも続けて参りました。そうした日々の活動が「エコレザー認証基準」を満たすことにつながったと思っています。今回も、日本エコレザー基準の適用分類で、乳幼児の皮膚が接触しても問題ないという「エキストラ」も取得させて頂きました。

弊社の扱うムートン製品は全てエコレザー認定を受けておりますが、認定をとるために、あえて処方を変えたりはしていません。たぶん、私たちの「ものづくり」そのものが、エコレザー基準の範囲内で取り組んできたからだと思います。

ムートンの機能を医療現場や介護現場へ

厳選された羊皮からつくられる、
良質なムートン。
私たちが作るムートンは人の身体が「上にのる」というものです。のった時に身体がムートンの力で浮き上がらないといけません。ムートンは、極細の羊毛一本一本で支えるものなのです。中学生で野球をしている生徒で丸刈りの男子を見かけますが、あの丸刈りの三分刈り、五分刈りの手触りです。

良質なムートンは、少しは(毛が)寝ますけど、身体全体を点で支えています。身体の2%程しかムートンに接していないことになります。他は空気の隙間なんです。そのため寝ていても皮膚の血流が阻害されることがないため、うっ血してこないのです。

弾力を持つ1本1本の毛が
コイルバネの働きをしている
新生児がなぜ2時間おきに目が覚めて泣き出すのかというと、横になったままだとうっ血してしまうからなんです。そんな時にムートンを敷いてあげると、ものすごく寝ます。オーストラリアやニュージーランドもそうですが、アメリカやヨーロッパでは、「ムートン」と言うとベビー用品ということになります。ベビーカーにも敷かれていますし、保育器の中もムートンだったりします。

そうしたムートンが持つ本来の機能を医療現場や介護現場で利用されるケースとして、今後もさらに拡大するのが褥瘡(じょくそう)と呼ばれる難治性潰瘍(床ずれ)の予防だと思っています。ムートンの持つ天然のバネが体と寝具の圧力を低減し、血行を促進。さらに摩擦も低減しながら、体から放出される湿度も調湿できる素材はムートンをおいて他にありません。入院患者の使用するベッドに、このムートンシーツが導入されれば看護上の褥瘡(じょくそう)管理も大幅に低減されるはずなのですが、現状では、コストの問題からなかなか難しい部分もあります。

販売代理店やOEM供給でマーケット拡大

社長室にある額。
「羊」という力強い書体から、
羊への敬意と誇りを感じる。
郊外の大型外資系ホームセンターなどが人気です。そうした店舗ではムートンがたくさん並んでいます。リビングインテリア用として割り切った用途のムートンなら、正直なんでも良いと思います。そうしたところで販売されているスリッパなども非常に快適です。ただ、私たちが目指しているのは、それとは全然違うムートンです。先ほど言った高機能のムートンがホームセンターなどで扱っているかというと、非常に少ないと思います。
私たちはこれからも、こういったムートンの良さを理解して頂けるお取引企業様と一緒に市場を開拓していきたいと考えています。販売店様や問屋様はもちろん、OEMで商品開発をされたいと考えている企業様とも協力しながら、ムートンの良さを普及させていきたいと思います。

また、高品質なムートンは非常に高価なものになりますので、商品購入後のアフターサービスも全て私たちが責任を持って提供させて頂いております。長い目で見た場合、弊社のムートンを購入されたお客様は絶対お得だと思っています。