エコレザー事例

株式会社シャミオール専務取締役 大澤重仁様 インタビュー

エコレザー商品を後押しする環境意識の高まり

株式会社シャミオール
専務取締役 大澤重仁様
デザインとサイズがフィットすれば「靴に使う素材は何でもいいのか?」...。お客様が本当に満足する靴を追い求めるモノづくりの思いは、自然に日本エコレザーにたどり着いた。大手百貨店で開催したイベントの大成功は日本エコレザーの将来性に一石を投じている。


僕たちは、もともとは女性の靴を作っている中で、お客様にぴったりの靴を作りたいという思いから、毎日、試行錯誤しているわけです。その過程で、「靴に使う素材は何でもいいのか?」という原点に立ち返ったとき、何か違うような気がしてきたのです。特に、靴の裏(内側)は、靴下、あるいは足に直接接触する部分です。どうしても汗をかきますし、皮膚疾患などもあります。

であれば、デザインやサイズだけではない部分でも、良い素材を使いたいと思ったわけです。天然の革で、吸汗性に優れていて、有害物質が極めて抑えられているということであるとすれば、それが一番お客様にとってもいいだろうという判断から、裏側に日本エコレザーを使ってみようというのが始まりでした。

それで、使うのであれば値段的には高いのですが、植物タンニンなめしで、人間の皮膚にやさしいラセッテーという革がありまして、じゃあそれを使おうと思ったのがきっかけだったと思います。

お客さまの本当の満足感を創る

これまでも、裏にピッグスキンを使うというのは、結構昔からこの業界ではよくやってきたことでした。ピッグスキンには独特の表面感があって、安いということは業界の人はよく知っています。牛革の方がすべすべしていますし、表は牛革やその他の革を使うのが昔から一般的でした。

今回「エコモカシン」という形で作った靴は、表も裏もピッグスキンなんです。表も裏も山口さんのところの革で作りました。カジュアル感の強いもので、表革としてもなかなかよくできていて、良い靴に仕上がりました。靴づくりの工程でも、エコレザーだから、ピッグスキンだから扱いにくいということは全然ありませんでした。

今のお客様、特に女性の方は、意識が高く、社会性のある方が増えてきていると思います。環境の大切さが叫ばれている時代だからでしょうか、時代感覚というか、社会性のあるお客様はどんどん増えているように思います。日本エコレザーというのは、そういったお客様に対して、ひとつのアピールポイントになるんじゃないかと思います。

やはり一番大事なのは、靴でもバッグでも同じですが、お客様にとってその商品がどういう意味を持つのか、つまり、それが自分の好みにあっているのか、それを使うことによって楽しい気分になれるのか、それを使うことによって自分がより健康的な生活を送れるのか...自分にとって数多くのメリットを感じられるものこそ価値があると思っています。「これは有害物質が含まれてないし、自分の好みにもあっている。欲しい靴種でもあるし、さらにエコなんだ。環境にも体にもいいらしい」そういったことが、お客様の購入意欲の後押しをしてくれる要素であると思っています。

大反響を呼んだ東武池袋の日本エコレザーイベント

昨年の10月に東武池袋さんの、2階の靴売り場のエスカレーター脇にあるプロパー催事で、一週間イベントをやったんですよ。その時は表も裏も日本エコレザーを使った商品をあつかいました。

「フィッティングを選べますよ」「革の色を選べますよ」...さらに、おあつらえいたしますよという形でやったんです。サイズも、1つのワイズ(幅)で21.5cm~25cmではなく、6つのワイズだったんです。6つのワイズで8つのサイズなので、お客様は48の大きさの中からぴったりのフィッティングを選んでいただくことができて、シューフィッターのアドバイスもありました。

しかも、甲革の色は20種類から選ぶことができました。2色コンビ、3色コンビで考えると48種類全部違うんですね。さらに、希望があればお客様の欲しい色も表現しますよ、と。全部おあつらえですよ、と。そういうイベントをやったんです。

そのイベントでは、1日平均15~16足売れました。そうすると1週間で109足、上代価にして200万は越えていたと思いますね。予想外の出来でした。まあ、商売としては成績がよかったものですから、東武池袋さんにも喜んでいただいて、またやりたいといお話もいただいています。今は、大阪の阪急百貨店からやらないかというお話はいただいています。このように、日本エコレザーに対しての引きはあるんです。